建設・鉱山機械、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械などの事業を展開している「コマツ」が2020年3月期の決算を発表しました。
事業概要及び決算情報
事業内容
・建設・鉱山機械などの建設機械で世界2位
・建設機械・車両部門の売上高は伝統市場である日本・北米・欧州が5割を占める
決算情報(2020年3月期)
売上高は建設機械・車両及び産業用機械他の需要減少より、24,448億円と対前期比▲10.3%減少。
建設機械・車両部門の地域別売上高は、中国、日本・中国を除くアジア、アフリカ地域が対前期比▲20%以上の減少。
営業利益は2,507億円と対前期比▲40.9%減少。
個別業績の差異発生要因は、インドネシアを中心としたアジア向けの建設・鉱山機械の販売が低迷したこと、および子会社からの配当金が減少したことが主な理由。
株主に帰属する純利益が1,538億円と対前期比▲40.0%減少したこと及び今後の事業展開等を勘案し、剰余金の配当を直近の予想より16円減額となる期末配当39円に変更。
- 売上高:24,448億円
- 営業利益:2,507億円
- 株主に帰属する当期純利益:1,538憶円





出典:コマツ(2020/3期 決算説明資料)
業績予想と新型コロナウイルスの影響
従来より取り組んでいる車体や部品のグローバルクロスソーシング、グローバル調達により、サプライチェーンに関わる問題は現時点では発生していない。
第4四半期は、建設機械・車両部門では、中国、北米、欧州、インドを含むアジアにおいて新型コロナウイルスの影響を大きく受け、産業機械他部門も含む全体で約400憶程度の売上げが減少。
2021年3月期の連結業績予想は、現時点では未定。


出典:コマツ(2020/3期 決算説明資料)
投資判断
- 高配当銘柄 ▲
- グロース銘柄 ×
- バリュー銘柄 ▲
2020年5月18日時点の終値(2,034円)の予想配当利回りは通期予想110円で5.4%、減配後の通期実績94円でも4.6%と高い配当利回りを維持。16円の減配は配当性向を57.7%に維持するためであり、利益剰余金は厚く、株主資本比率や債務償還年数のトレンドも良好。
期中平均発行済株式数:944,230,565で仮に試算すると、減配による利益剰余金からの配当支払い減少額は150億円程度。
建設機械・車両部門では、伝統市場である日本・北米・欧州は堅調なものの、戦略市場の売上高が大きく減少していること、中国の減少要因に国内メーカー販売比率の伸長との記載があることには留意したい。
配当方針である連結配当性向40%以上とコロナウイルスの影響による第4四半期の売上高▲400億円、減損等による純利益の大幅な減少があった場合でも配当方針(連結配当性向40%以上)が変わらないリスクを考慮して投資判断を行いたい。