成長が期待される情報セキュリティ関連銘柄でありながら、株価が低迷中のデジタルアーツを分析してみました。
会社概要
事業内容
インターネットアクセスに伴う危険を未然に防止する「Webフィルタリング」および「電子メールフィルタリング」を中心とする情報セキュリティ事業を、企業・公共(官公庁・学校)・家庭向け市場に対して展開。
指標(20200117時点)
売上高からEPSは、2017/3~2020/3(予)を記載
- 売上高[億円]:50、51、58、68
- 営業利益[億円]:18、19、26、33
- 経常利益[億円]:18、19、26、33
- 営業CF[億円]:26、10、30、-
- 営業利益率[%]:36.1、37.2、45.0、48.5
- EPS[円]:80.9、92.4、141.1、162.0
- PER(予)[倍]:36.8
- PBR[倍]:10.0
- ROE[%]:23.3
- PEGレシオ[倍]:1.8
- 自己資本比率[%]:80.0
- 配当利回り(予)[%]:0.84
- 配当性向[%]:34.4
- 株主優待:なし
- 浮動株<19.9>:13.8



出典:デジタルアーツ(2020/3期第二四半期決算説明資料)
販売先
主な販売先を、企業向け・公共向け・家庭向けの3つに区分し開示。
2020/3期においては、公共向けは前期の反動減があるものの、企業向け・家庭向けは堅調に推移。


出典:デジタルアーツ(2020/3期第二四半期決算説明資料)
情報セキュリティの市場環境
2019年6月15日、IDC Japanが発表した国内セキュリティ市場の予測は、ソフトウェア製品とアプライアンス製品を合わせたセキュリティ製品の市場は、2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が2.8%で、市場規模は2018年の3,070億円から2023年には3,518億円に拡大するというものでした。
また、コンサルティングやシステム構築、運用管理、教育/トレーニングサービスを含むセキュリティサービスの市場は、2018年~2023年のCAGRが4.3%で、市場規模は2018年の7,890億円から2023年には9,734億円に拡大すると予測しました。
2019年12月26日、IDC Japanが発表した2019年上半期までの実績を基にした予測は、2019年の国内情報セキュリティ製品市場において、ソフトウェア製品の市場規模は前年比3.8%増の2,638億円で、その内SaaS(Software as a Services)型セキュリティソフトウェアの市場規模は前年比14.5%増の325億円と予測します。セキュリティアプライアンス製品の市場規模は前年比2.6%減の536億円と予測しています。また、2019年の国内セキュリティサービスの市場規模は、前年比4.9%増の8,275億円と予測しています。
2020年から2023年にかけては、消費税増税による景気の下振れリスクが高まると予測されるものの、2020年に開催される東京オリンピック/パラリンピックによって、サイバー攻撃の多発が見込まれることから、サイバー攻撃に対する防御や検知/対処を行うセキュリティ製品への需要が拡大すると予測しています。

出典:IDC
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45115719
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45790619
投資判断
- 高配当銘柄 ×
- グロース銘柄 ●
- バリュー銘柄 ×
2~3年前から株価を追っている銘柄です。
情報セキュリティ分野は日進月歩であり、企業としても常に成長し続けることが求められるため、コンセンサスとの比較や対前年比の成長率で株価の方向性も大きく変動します。
グロース銘柄のPERが30倍台は許容範囲だと思いますが、PBRが10倍台であり、売上成長率が鈍化傾向なのは気になるところです。
しかしながら、セキュリティ市場自体は今後も堅調に推移すると思われるので、その波に乗り続けることを期待した投資判断をしていこうと思います。